2015年12月18日金曜日

シラヒゲハエトリの巣立ち

シラヒゲハエトリ産卵から38日目

シラヒゲハエトリの子(産卵から38日目)

前回まで数回に渡ってお伝えしてきたシラヒゲハエトリの子育ての様子ですが、ここに写る子グモを野に帰すことでひとまず終了です。
母グモと兄弟姉妹は先に野に返して、この子だけ、手元に残しておきましたが、子グモのエサがわからず、この子もすぐに野に帰すことにしたので、これが最後の姿です。
思えば、わずか5週間前まで、この世に存在していなかったこの子グモも短い期間で立派な姿に育ちました。今回はたまたま縁あってその様子を見ることができましたが、同じような出来事が、身近な公園の知られることのないクモの産室一つ一つの中で繰り広げられていると思うと感慨無量です。
この5週間で思い知らされたことは、何か一つ欠けても、この子グモはこうしてこの世にはいなかったということです。今日、目にする生き物全てに言えることですが、命を繋げるというのは、奇跡の連続だと改めて思い知らされました。

ナデシコの花びらの上に佇むシラヒゲハエトリの幼体。体長は3mmに満たないほど。

卵から孵ったばかりの姿は、目もなく体を覆う毛もなく、弱々しかったですが、今ではすっかりクモの姿をしています。とは言ってもまだ、3mmにも満たない小さな存在です。一緒に生まれた兄弟姉妹の内、何頭のクモが生き残り、次の世代に命を繋げていけるのかは、見当もつきませんが、きっと来年の春にも同じように彼らの姿が見られることでしょう。もしかしたら、確かめることは無理としても、同じ個体が成体になった姿を見ているかもしれません。

上の個体をレンズを変えて撮影したもの。撮影倍率は8.65倍。

Zuko Auto-Macro 20mm/F2.0 w/DIY OM to F Adapter + ET-ABC, Mag. x8.65
32カットをZereneStackerにてフォーカススタッキング

花の上に留まりじっと動かなかったので、記念に大きな姿を収めておこうと、9倍近くまで寄れるレンズをつけて撮影してみました。HPのHow toのページでも少し触れているレンズとの組み合わせです。

さて、ここで、撮影機材の紹介をしておきます。
上の2枚はクモ撮影では、基本の組み合わせのAF MICRO-NIKKOR 60mm/F2.8Dを最短撮影距離にセットし、デジタル接写リングの3連を組み合わせて撮影したものです。2.5倍ほどまで拡大できます。
そして3枚目が以下写真の組み合わせにデジタル接写リングの3連を噛ませて撮影したものです。
下の写真を見て「んっ?!」と思われた方はかなりのマクロマニアの方だと思いますが、苦肉の策でこういう組み合わせになりました。
慌ててレンズをオークションで落としてみたものの、「俺のカメラ、ニコンじゃん?!」と届いてから我に返りまして、それからいくつかのマウントを組み合わせを試して落ち着いた先がこの組み合わせ、ということです。種を明かすとニコンFマウントをCマウントに変換するアダプターのボディ側の部分を分解し、ニコン純正のBR-2Aをエポキシで付けただけです。結構頑丈にくっついています。
レンズ自体は軽いので、強度は今のところ問題はありません。元々4〜16倍の撮影で設計されたレンズなので、この倍率域での撮影が多くなる子グモの撮影では大活躍です。

Zuiko Auto-Macro 20mm/F2.0 on Nikon D7100 w/DIY OM to F アダプター

ただし使いこなすのは至難の技です。ニコンのボディで使う場合、絞り込み測光になるので、絞って使うとファインダーの中は真っ黒。ただでさえ撮影倍率がかかり、光が弱くなているので、いろいろと工夫しなければいけませんが、それでもベローズを噛ますよりはだいぶ使い勝手が良いです。このレンズはあまり絞り込んで使わない方がシャープでまさしくフォーカススタッキングには理想のレンズです。
参考までにシングルショットの一枚を以下に掲載しておきます。
絞りは開放での撮影です。

上の作品のフォーカススタッキング前の一枚。撮影倍率は8.65倍。




2015年12月15日火曜日

シラヒゲハエトリ♀ 産卵から28日目の様子

シラヒゲハエトリ そろそろ巣立ち

産卵から28日目のシラヒゲハエトリの産室の様子

D7100 w/AF Micro-Nikkor 60mm/f2.8D +ET-ABC. Mag. x1.95
  ZereneStackerで26枚をフォーカススタッキング

12/5投稿記事シラヒゲハエトリの子育て その後の様子からさらに5日後。産卵から28日が経ちました。
前回の観察では子たちはまだ毛も生えていませんでしたが、5日間で毛も生え揃い、目もすっかり成長して、一人立ちの準備は万端といった姿に変わっていました。抜け殻が見られたので、5日間の間のどこかの時点で一度脱皮したようです。

この頃になると子グモはとても活発で、産室を開けたとたん、多くの子グモは産室の外へと出て行きました。
戻すのが大変ですが、あまり遠出はせず、飼育容器の縁にいるのを違う容器に入れて退避させて、残った子グモと母グモを撮影した様子です。
私の自宅生まれですが、母グモのいた場所にかえす日も近いようです。

一方の母グモは採取から一ヶ月以上絶食状態を続けているため、腹部に目をやるとすっかりとやせ細り、心配になってきますが、心配をよそに母グモはとてもタフで、その生命力の強さにはつくづく驚かされます。
子グモが体にまとわりついても微動だにせず、一匹の子グモが母グモの口の辺りにいますが、気にしていません。 

2015年12月10日木曜日

シラヒゲハエトリの子育て その後の様子

シラヒゲハエトリの子育て 産卵確認から23日後

シラヒゲハエトリの産卵から23日後の産室の中の様子
D7100 w/AF Micro-Nikkor 60mm/f2.8D +ET-ABC. Mag. x1.8前後

ZereneStackerで78枚をフォーカススタッキング
12/5投稿 「孵化した子グモとシラヒゲハエトリ」のその後の子育ての様子です。

子グモはスクスクと育っているようです。何頭かは画面の外へ飛び出してしまいました。
6日前に見た子グモはまだクモというより卵に脚と頭がくっついていたような感じでしたが、今ではかろうじてクモだとわかるようになりました。目もだいぶはっきりしてきて中の網膜もだんだんと発達し、黒ずんできたのがわかります。全身を覆う毛はまだ生えておらずツルツルとしていますが、地肌の模様も付いてきました。
一方の母グモは相変わらず絶食状態で子グモたちを守っています。頭胸部の倍はあろうかという大きさだった腹部はさらに萎んで弛んでしまっていますが、心配するほど元気がないというわけではなく、動くのが億劫といった感じです。

子グモの巣立ちはもう少し先になりそうです。

2015年12月6日日曜日

ヨコヅナサシガメ

ヨコヅナサシガメ

ヨコヅナサシガメ

給水中のヨコヅナサシガメ

D7100 w/AF Macro-Nikkor 60mm/f2.8D単体
132カット撮影のうち87カットと45カットを別々にZereneStackerでフォーカススタッキングし、2枚の深度合成写真を作成後、再度その2枚をフォーカススタッキングして作製。
クモばかりでは、と思い、いつも見かける昆虫も撮ってみました。この時期に頻繁に見かける(年がら年中みかけますが)ヨコヅナサシガメの幼虫です。同じ場所にはヤニサシガメも多く見かけますが、最近こちらの方が優勢になってきたような気がします。
こうしてみるとゾウムシのような口で肉眼で見るよりも毒々しくないですね。
体は動かさなかったので、100枚越えのスタッキングもできましたが、触覚は絶えず動かしているのでレタッチ前は千手観音のようになってしまいます。途中、触覚の位置が上に行ったので、気を取り直して頭部の部分から手前まで再撮影。出来上がった二枚の深度合成写真を再度スタッキングして上のように仕上げてみました。

レタッチ前の一枚を下に掲載しておきます。部分的な被写体ブレはレタッチで修正可能です。

上の作品のレタッチ前の千手観音バージョン

2015年12月5日土曜日

シラヒゲハエトリの子育て

孵化した子グモとシラヒゲハエトリ♀


子グモを守るシラヒゲハエトリ♀

D7100 AF Micor-Nikkor 60mm/f2.8D w/ET-ABC Mag. x2.0
ZereneStackerで112カットをフォーカススタッキング
飛び飛びな投稿で失礼します。
11/30投稿「産室の中のシラヒゲハエトリ♀」の続きです。
前回の撮影から12日後、産室の中がにわかに賑やかになっていたので、再度切り開いて中を覗いてみました。孵化した子グモたちでいっぱいです。クモを撮り始める前までは絶対NGの光景だったのですが、慣れとは恐ろしいもので、全く動じなくなってしまいました。群れ全体はゾッとしてしまいますが、個々の姿が見えてくると気味悪い、気持ち悪いというネガティブな感情が消えてしまうから不思議なものです。

さて、母グモは相変わらず貫禄十分。身じろぎひとつせず子グモたちを守っています。産室を作ってからおよそ20日間、飲まず食わず(水は脱脂綿に含ませた水を置いてありますが、産室から出た気配はなし)で子育てに没頭しています。
11/17投稿の「産卵前のシラヒゲハエトリ♀をフォーカススタッキングで撮影」のパンパンだった腹部もすっかり萎んで痩せています。
一方の子グモは目もなく、体は半透明ですが、とても活発に動き回ります。兄弟姉妹ともこの頃は折り重なって過ごしています。

子グモを守るシラヒゲハエトリ♀(正面)

D7100 AF Micor-Nikkor 60mm/f2.8D w/ET-ABC Mag. x2.0
ZereneStackerで100カットをフォーカススタッキング

母グモに少し動いてもらって、正面と子グモたちが写るようなアングルに変えて撮影した作品です。母グモを動かしたら子グモの大半は画面の外へ逃げてしまいました。それでも残った子グモたちと母グモを同じフレームに入れて撮ることができました。子グモの正面の目をはじめ各単眼はまだ発達していませんが、辛うじて目の位置はわかります。左側には抜け殻が見えて脚のような部分も見られるので、もしかしたらすでにこの姿になるまでに一度脱皮しているのかもしれませんが不明です。

撮影後、産室の外へ逃げた子グモたちを戻すのにとても苦労しました。

次回は出のう間近のシラヒゲハエトリをお送りする予定です。


2015年12月4日金曜日

ネコハエトリ クローズアップ

ネコハエトリ クローズアップ

桜葉の上のネコハエトリ

D7100 24mm/F2.0 Reverse w/BR2A + ET-A Mag. x4.0
ZereneStacker 11カットをフォーカススタキッキング
先ほどアップしたネコハエトリなんですが、もう少し寄ってみたかったので、レンズを変えて画面一杯してみました。
残念ながら、足先と触肢までピントを合わすまでジッとしていてはくれなかったのですが、まぁ、良しとしましょう。
キャッチライトがウィンドウズみたいになってMac派としては
「なぜリンゴにしなかった!?」
と悔やまれますが、それはそのうち修正してみます。

紅葉の上のネコハエトリ

Carrhotus xanthogramma on Autumn Leaf

紅葉の桜葉とネコハエトリ

Nikon D7100 AF Micro Nikkor 60mm/F2.8D w/ET-A* Mag. x1.8
ZereneStackerで11カットを深度合成
*ET-Aはケンコーのデジタル接写リングExtensionTubeの略 A-36mm, B-20mm, C-12mmと便宜上記しています。
先日ムツボシオニグモを投稿しましたが、同じ日に採取してきたネコハエトリです。この姿のまま越冬して、春に脱皮して成体となることでしょう。体調は7mmほどです。花壇の花や葉上、葉裏にいるのをよく見かけます。オスは春から初夏にかけてしか見かけないので、繁殖期を終えるとメスの成体か幼体かのどちらかということになるのですが、この状態で雌雄を見極めるのは難しいですが、ちょっと大きめな触肢なのでオスの亜成体かもしれません。家にいたコバエを与えたらあっという間に平らげていました。

桜の葉脈

Nikon D7100 AF Micro Nikkor 60mm/F2.8D w/ET-A* Mag. x1.8
ZereneStackerで42カットを深度合成
*ET-Aはケンコーのデジタル接写リングExtensionTubeの略 A-36mm, B-20mm, C-12mmと便宜上記しています。
ついでにと言ってはなんですが、クモがのっていた葉をクローズアップで撮ってみました。どこかの町の衛星写真みたいな幾何学模様がとても美しい。クローズアップで撮るとゴミやホコリも精細に映り込むので、フィルターをかけてそれも味として見えるように画像処理しています。



2015年12月2日水曜日

紅葉の桜の葉に佇むムツボシオニグモ

ムツボシオニグモ

すっかり寒くなってしまいましたが久しぶりにクモを探しに出かけました。
こんな時期でも、多くはないですが、何頭か見つけました。
最初肉眼で見たときはワキグロサツマノミダマシの幼体だと思っていましたが、どうやら違うようで、ムツボシオニグモだと思われます。
コガネグモ科のクモは比較的動きが少ないのでフォーカススタッキングには結構向いているのですが、チャーミングさに欠けるかなぁ。強いて挙げるとすれば、頭胸部のラインとくっついた側眼がチャームポイントかな。ツヤツヤの肌もなかなか魅力的かも?  まだ3-4mmの大きさなので成体ではないと思いますが、初見ということでアップしてみます。
桜の葉の裏側のムツボシオニグモ

Nikon D7100 AF Micro Nikkor 60mm/F2.8D w/ET-A* Mag. x1.8

*ET-Aはケンコーのデジタル接写リングExtensionTubeの略 A-36mm, B-20mm, C-12mmと便宜上記しています。
大きな画像をご覧になりたい方はこちら (Nikon Image Spaceへジャンプします)からどうぞ。
ウォーターマーク入りですがご了承ください。

桜の葉の上のムツボシオニグモ

Nikon D7100 Zuiko Auto-Macro 20mm/F2.0 w/ET-ABC* + OM-F adapter Mag. x8.7

*ET-Aはケンコーのデジタル接写リングExtensionTubeの略 A-36mm, B-20mm, C-12mmと便宜上記しています。
大きな画像をご覧になりたい方はこちら (Nikon Image Spaceへジャンプします)からどうぞ。
ウォーターマーク入りですがご了承ください。
いつもは花の上に放つのですが、今回は採取場所の近辺に落ちていた桜やクヌギ、柿の落葉を拾って帰り、そこにクモを放って撮影しました。