NIKON MACRO NIKKOR 19MM F2.8で深度合成

NIKON MACRO NIKKOR 19MM F2.8でミバエを深度合成

Title: Tephritidae
Camera: D7100
Lens: Nikon MACRO NIKKOR 19mm/f2.8 w/Raf Camera Cone Shape Adapter via T-mount to F and with Kenko Extension Tube 12mm.
Magnification: x6.8 (x10.2 for 35mm)
Shooting Area: 2.35 x 3.53 (mm) at Original
Speed: 1/250
Aperture: #3 (f5.6)
Lighting: 2 Flash lights
Stacked Images: 155
Pitch: about 0.02mm/image
Process: with ZereneStacker. A Dmap image  have been used mainly,  but use Pmax for some edges to produce final image.
今回は上のミバエの画像を仕上げていく過程を端折って説明しています。



このところMACRO NIKKOR 19mm f2.8の投稿が続いていますが、今しばらくご辛抱のほどを。


今日のモデルさんはミバエの仲間。飼っているハエトリグモに食べてもらうように捕まえてきた一匹。食べてもらう前にお亡くなりになったので、撮影させていただいた。



いったいどのくらいの枚数を使って一枚の深度合成画像を作り上げていくのか?
深度合成に全く縁のない人には皆目見当もつかないと思う。実際、撮影者本人も撮り始めてみるまでわからない。撮影倍率と被写体の大きさである程度決まってくるが、上のシステムで撮ってみた結果、大雑把に言うと100-150カットくらいの元画像が必要になる。撮影倍率は35mm換算で9倍ほどだ。
倍率が高くなればなるほど撮影ピッチも細くなっていくので枚数も増えていく。因みに上の機材の写真も深度合成画像なのだが、EOS5D MK3 w/24-70mm/f4でヘリコイドを手動で動かしながらピントを変えながら撮影したものを使い、撮影枚数は28枚だ。

以下は最上部の作品を作るにあたっって撮影したある日のLightromのスクリーンショットだ。
深度合成用に撮影した元画像をLightroomでスタック表示したスクリーンショット。白枠内の数字が深度合成用に撮影した元画像の枚数となる。白枠に数字がないものは参考用に撮影した倍率計算用のスケールとライティングの調子を見るためのテスト画像などで参考ショットとなる。

上のスタック表示をすべて展開した際のスクリーンショットで、残した画像の総数は1082枚となる。仕上げる予定の深度合成画像はたった9……。はぁ、手間がかかる。だから撮って出しは無理!

それぞれの元画像をTIFF16bitに書き出す。ちなみに1番多い黄色の155枚の元画像のTIFF16bitのデータ総容量は22.32GB! 

その155枚の元画像をZereneStackerに取り込んで処理を終えたスクリーンショットを3点掲示した様子が以下のようになっている。
上の画像の左側に表示されている部分は元画像で赤丸で囲った元画像が表示されている。一枚だけでは何が写っているかわからないほど深度が浅いことがお分かり頂けると思う。
緑丸で囲っている部分は深度合成が終わった画像ファイルでそれを選択すると右側に表示される。緑丸上のリストはそれぞれ、ZSPmaxZS-1Dmapで処理された画像ファイル。私の場合はDmapZS-1)の画像を選択しレタッチをしていくのだが、レタッチを終えて保存するとZS-2と言う画像が生成される。さらにレタッチが必要になり保存するとZS-3が生成される。現在表示しているのは、最終的なレタッチが済み選択・表示された画像ZS-3が右に、元画像の一枚目、一番奥にピントのあった画像が左に表示されている状態だ。

こちらの画像は、右はZS-3で変わらないが、複眼の一部分にピントのあっている中間画像を左に表示させているスクリーンショット。

この画像は爪の先端にピントを合わせた画像を左に表示させたところ。ピントの合っていないところは処理されないので、撮影する際にはフォーカスを行き渡らせたい部分の後ピン、前ピンを余分に撮っておくと後で「アァ、ピンが来てないっ~」と泣かずに済む。こんなピンボケの写真一枚だけでは何が写っているかさえわからないが、深度合成の際は「この爪の先端までピントを行き渡らせる」という撮影者の意思表示や拘りを作品に込めることができるので重要なワンカットだ。

左カラムの下のファイルZS-3を右画面に表示させて
Menu>File>Save Output Image(s)
をクリックすれば、ページ最上部に表示してあるの仕上げ前の画像が保存される。

この後出来上がった画像をPhotoshopで開き最終的なレタッチをして完成に近づける。
余談になるが超拡大撮影ではホコリとうまく付き合わなくてはやってられない。撮影前の撮影素子のクリーニングを念入りにしても想像以上のホコリが写り込んでしまうのだが、ある程度は織り込み済みで撮影していかないと前に進めなくなる。
電子接点付きのレンズでは全く問題がないのだが、超接写で使用するベローズレンズのほとんどには電子接点がなく、倍率が上がるほどホコリの写り込みが激しくなってくるので、本番の撮影をする前に使用レンズで試し撮りし、ホコリの有無を確かめつつ、クリーニングをしておく。ホコリが皆無になることは奇跡的と感じるほど、ホコリは写り込む。撮影中にも新たなホコリがこびりつく様子を垣間見ることができたりする。なのである程度のところで妥協し、あとはソフト内での処理に回したほうが近道なことが多い。
こちらは元画像の中のワンカット。これでもホコリの写り込みは少ないほうだ。これらの埃をLightroomで書き出す前に除去しておくか、そのまま書き出して処理し、最終的にPhotoshopで処理するかは本当に被写体により千差万別で慣れるしかない。今回は後からホコリ取りをすることで正解だった。




超接写で新たな世界を垣間見せてくれるZereneStackerの試用版があるので一度試されては如何でしょう?

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