NIKON MACRO NIKKOR 19mm f2.8 絞り値と被写界深度

MACRO NIKKOR 19mmf2.8 絞り値と被写界深度


MACRO NIKKOR 19mm/f2.8の絞りは1-6の番号が付けられているだけで、ノッチもなく、シームレスに動く。あまりにも軽すぎて、テープなどを貼って絞りが不用意に動かないようにしなくてはならないほどだ。この番号が実際どのくらいの絞り値になるのかテストしてみた。
D7100 w/MACRO NIKKOR 19mm/f2.8 + Cone Shape Adapter-Tマウントでの組み合わせで撮影倍率は約9倍。光源はフラッシュ3灯をマニュアルでセッティング、シャッタースピードも1/250"で固定。絞りを変えるごとにISOを一段づつ変えていく方法でEV値に変化があるか見てみた。

結論から言うと、
#1=F2.8
#2=F4
#3=F5.6
#4=F8
#5=F11
#6=F16
相当として問題のないという結果となった。実際の超拡大撮影での実質絞りはF128とかF256とかいう数値になってくるであろうし、ベローズを使う際には繰出量で実絞り値は変わってくるので、1-6という番号表示だけなのは案外わかりやすくていい。だいたい小さなレンズなので絞り値を入れるスペースがない……

テストの目的はもう一つ。被写界深度と小絞りボケの影響の出る絞り値を把握しておきたい、ということで以下に10円玉を斜めに置いて撮影したもので比較してみた。

#1=F2.8 ISO100
開放から物凄くシャープ。瓦部分の金属加工跡も解像している。

#2=F4.0 ISO200
被写界深度の変化は劇的ではないが、やや広がる。目を見張るのはさらに上がる解像力だ。

#3=F5.6
おそらく常用となる絞り値。解像力と被写界深度のバランスがとてもいい。

#4=F8.0
使用ギリギリの絞り値であろう解像力。エッジの解像度が小絞りボケの影響でにじみ始めているが、充分使える解像力に加えて、この倍率での被写界深度の広さはとても助かる。ただ、ファインダー越しにはギリギリの明るさとなる。

#5=F11
これだけの被写界深度があればなぁ、けど解像度はやっぱり落ちちゃうんだねぇ~、という感じになってしまう。

#6=F16
解像度はガタ落ち。すべてのエッジがぼやけ始め、眠たい印象になってしまう。ただ、今回のテスト撮影では、ISO感度を上げており、解像度のテストには向かない作例なのだが、実際ファインダー越しには輪郭がわずかに見える程度の暗さで、動いているものには、使用不可能と言える暗さとなる。
ご覧のようにパッと見のEV値は変わらないのと、先述の通り絞りにノッチは付いておらず目視で数字のあわせるだけの絞りリングなので、設定にも誤差があると考慮すると絞り値は呼応する数字とみて問題ないだろう。

次に深度合成をする際に解像度を把握しておかないといけないので、比較してみる。

絞りの変化による解像度の変化

本来はISOを固定して光量を変えてテストするべきだが、取り急ぎのテストなので、上のISOを変えただけの画像から切り取った比較になるのでご考慮のほどを。

絞りの変化による解像度の変化を上の6枚の画像からそれぞれ同じ部分を切り取り拡大した画像を見てみる。
ハイライトで示した部分を切り抜いて拡大した。

#1=F2.8

#2=F4

#3=F5.6

#4=F8

#5=F11

#6=F16

これらの結果を踏まえて見てみると、一番解像度がいいのは#2=F4のようだが、開放も悪くない。だが、被写界深度との兼ね合いでやはり#3=f5.6あたりがバランスがよく深度合成用には使い勝手がいいだろうなぁ、という印象である。使っていくうちに感覚で覚えるしかない。

さぁ、あとはあんなものやこんなもの、いろいろ見させていただくのだ!

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