2015年11月30日月曜日

産室の中のシラヒゲハエトリ♀


11月17日の投稿でご紹介したシラヒゲハエトリ♀ですが、今回はその後の様子です。前回の撮影から2-3日後には気付いたら産室を作って中に篭りました。
5日後、その産室を光にかざしてみると産卵してるようです。



産室の中で卵を守るシラヒゲハエトリ♀

Nikon D7100 AF Micro-Nikkor 60mm/f2.8D; w/ET-A*; mag x1.8 1/250 f8 ストロボ2灯

フォーカススタッキング50カット ZereneStackerで深度合成
*:ET-AのETはExtension Tubeの略 ケンコーデジタル接写リングを使用しています。便宜上36mm=A, 20mm=B, 12mm=Cと記しています。
産室を無闇に開けて放棄されても困るので、しばらく放っておいたのですが、産卵からさらに5日後、意を決して産室を開いてみました。上の写真がその時の様子です。
産室は蚕の繭とまではいきませんが、予想以上に頑丈に作られているのと、粘着質があるので、眉切りバサミで切り開いたのですが、刃にまとわりついて切り辛いものでした。
刃を入れている最中、さすがに産室の中で慌てていましたが、産室から逃げようともせず、卵を守っている姿を見ていると、母性には生物の隔たりがないことを教えてくれます。
卵は15個前後でした。産卵から5日経っていますが、これほどの卵がお腹に入っているのが信じられないほど卵の個々の大きさと全体量が大きいのに驚かされました。
抱卵中のシラヒゲハエトリは全く動じません。卵から離れようとしないのです。微動だにしないので、フォーカススタッキングの撮影には理想的でした。

結局3枚分、200カットあまりを撮影して、撮影を終えました。
撮影翌日に産室を見ると元どおりに修復されていました。

それにしても母は強しです。クモも動物も人も変わりませんね。

2015年11月29日日曜日

【閲覧注意】ハエトリグモの脱皮

2014年のちょうど今頃の時期、一頭のネコハエトリを採取してきました。

ずっとメスだと思っていたのですが、越冬し、5月のある日脱皮しているのに気付いて慌てて動画で撮影した映像です。オスでした。クモは幼体と成体では、あまりに姿形が違うので、キャプションを付けるのにも一苦労です。

長い間、飼育容器の中にいたためか脱皮室を作ることもなく、無防備に脱皮を始めた様子です。

2015年11月17日火曜日

産卵前のシラヒゲハエトリ♀をフォーカススタッキングで撮影

産卵前のシラヒゲハエトリ

シラヒゲハエトリ♀ この個体はニュートン2015年8月号 掲載 P120下の「卵を守る」と同個体です。この後産卵するのですが、産卵後の卵を守る様子が掲載されました。その前後の様子を数回に分けてフォーカススタッキングの説明やクモ撮影当初の話を交えてご紹介したいと思います。

Nikon D7100 AF Micro-Nikkor 60mm/f2.8D;w/ET-A*; mag x1.8 1/250 f8 ストロボ2灯
フォーカススタッキング23カット
*:ET-AのETはExtension Tubeの略 ケンコーデジタル接写リングを使用しています。便宜上36mm=A, 20mm=B, 12mm=Cと記しています。この作品のシラヒゲハエトリはハエトリグモの中でも大きい方なので、撮影倍率を上げる必要がなく、36mm=Aだけを装着して撮影しているので、ET-Aと記しています。Mag. x1.8は撮影倍率です。


クモを撮り始めた当初は、ハエトリグモと他のクモの区別もつかず、クローズアップで見るクモの姿にゾッとしたものですが、ハエトリグモに出会ってからその姿に魅了されていきました。その大きな目と少しユーモラスな姿をレンズ越しにみていると微笑ましささえ感じるから不思議なものです。
クモを探すのは専ら近所の公園です。
最初のうちはその場所で撮影したものですが、ストロボを使うため、黒バックになってしまうので、家に持ち帰って撮るようになりました。しかし、相手は生きているクモです。逃げられると家中で大捕り物が始まります。家にはネコもいるので、捕まえないと無用な殺生になりかねません。
そのうち撮影台代わりに鉢植えの花を買ってきてその上にクモを放すようになりました。より自然に近いせいか、花の上や葉の上下を歩き回り、花の周辺は動き回りますが、床に逃げた時のように慌てて動くことはなくなりました。個体差もあるのですが、やがて、じっとして動かなくなることもあり、絶好の撮影状況が訪れるのを待ちます。
また、鉢の大きさも4か5号鉢なので花の上を歩き回られても、鉢を回せばファイダーに収めることができます。

昔、オーロラを撮っていた時には、撮影場所でただひたすらオーロラが出てくるのを待ち、被写体であるオーロラをコントロールすることなど不可能でしたが、マクロ撮影の場合はコントロールが効くので、フレーミングや光のコントールなど今までの不自由さから解放され嬉しかったことを覚えています。

そのうち被写界深度の浅さに悩まされるようになります。マクロ撮影の経験のある方なら倍率を上げれば上げるほど被写界深度が浅くなっていくのはご存知だと思いますが、クモを撮影する際は、接写リングを使うため、撮影倍率は2倍以上からの撮影が多くなり、被写界深度はさらに浅くなってしまうのです。
また、デジタル撮影では絞りすぎると光の回折で解像度が落ち、あまり絞れません。このジレンマから解放してくれたのが、フォーカススタッキング(深度合成)という撮影方法です。HPのHowToで軽く触れていますが、ピントをズラした画像を用意し、専用ソフト上で一枚の画像に仕上げるという撮影方法です。上の作品は23カットをフォーカススタッキング(深度合成)と呼ばれる手法で一枚の作品に仕上げたものです。完成した画像をみればどうってことないのですが、撮影と画像処理は結構手間がかかるので、向かない人には抵抗があるかもしれませんね。

あまりピンとこないかと思いますので上の作品で使った1カットをご覧いただきましょう。

これはこれで悪くはないのですが、上の作品と比べると被写界深度の浅さが一目瞭然なのがご理解いだけるものと思います。深度合成を始める前までは、シングルショットでこのような画像を量産していたのです。撮影を続けていくうちにもっと細かい部分まで一枚の画像に収めたいと感じるようになってフォーカススタッキングの泥沼にハマってしまいました。
一方下の画像は、NikonViewNX2のスクリーンショットです。
ハイライトになっている部分が一番上の作品に使った元画像です。ハイライトになっている最後の画像は撮影倍率算出用のステンレス製のスケールを撮影したもので、深度合成には使いません。別ウィンドウでご覧いただくと、それぞれの画像のピントの合っている部分がかろうじてわかると思いますが、これらの画像を一度TIFF16bitで出力し、それをZereneStacker(以下ZS)という深度合成ソフトに取り込みます。取り込んだら、ボタン一つで深度合成の処理が始まります。処理速度は取り込む枚数によって大きく変化しますが、23枚くらいですと2-3分というところです。私はZreneStackerを使っているのですが、HeliconFocus(以下HF)を使う場合は、TIFFへの変換することなく、NEFファイルをそのまま取り込めるので、一手間省け、HeliconFocusの最大の魅力でもあります。
ここまではそんなに大した手間でもないのですが、もし、この撮影した中で、動いた部分があると相当厄介なことになります。その詳細については他の回に譲るとして生きているクモを撮っている私がなぜZereneStackerを選んだかの鍵がこの後の処理にあるのです。
静物だけ撮るのであれば迷わず私はHeliconFocusを選んでいたと思いますが、最終的に購入したのはZSでした。
最後の仕上げのEDIT機能がZSとHFとでは、操作感が全く異なるのです。
次回は実際にソフトを動かして説明したいと思います。